
今回はリスニング力向上の練習法であるディクテーションについて解説いたします。
ディクテーション(dictation)は、”書き取り”という意味の名詞です。
意味からも分かるように、あなたが聴いている英文を、テキストを見ずに、聞こえた通りに書き写す練習法のことです。
このディクテーションにより、リスニング力をかなり向上させることができます!
大学留学などの学位留学を考えている方は、このディクテーションが練習方法になるだけでなく、実際に役に立ちます。
それは日本の大学の授業とは大きく違い、海外では、先生が黒板で板書をすることがとても少ないからです。
もちろん先生が言うことを、全て書き写す必要はありませんが、重要なところは書き写さねばなりません。
はい!
この後、しっかりとディクテーションの効果や、練習法を詳しく説明していきます♪
ディクテーションの勉強法
ディクテーションとは、あなたが聴いている英語の音声を、一字一句逃さずに書き写していく練習法です。
※ディクテーションを始める前に、勉強する教材の英文を3,4回通しでリスニングし、大まかな内容をつかんでおいてください。
それでは、実際にディクテーションをやってみましょう!
筆記用具をご用意くださいね♪
(準備はいい?…Go!)
さぁ、いかがでしたでしょうか?
一回で書き取れない方は、何度も聞き直し、書き取ってもらって構いません。
そして、聞こえてきた単語がわからなくとも、聞こえた通りに書き写してください。
綴りがわからなければ、カタカナでも構いません。
書き写しは出来ましたか?
「これ以上はわからない!」
となったら、ディクテーション内容を添削しましょう!
さて、これが、トーリが行ったディクテーションの内容です。

わからない単語でもカタカナでしっかり、書き取っているのが良いですね。
教材で勉強する場合は、文単位で、音声を一時停止をしながら、ディクテーションを行ってください。
そして、一回で書き取れなければ、文の最初から戻るのは構いません。
ディクテーション内容の添削
まずは、英文と訳を見ていきましょう。
I’m considering getting a savings account because there’s a school I’d like to go to
行きたい学校があるので、貯金口座を持とうと考えているんです。
英文のスピードはなかなか速かったので、全て書き取るのは難しかったのではないでしょうか。
さて、それでは添削をしていきましょう。
あなたの書き取ったものも添削してみてくださいね。

- コスナリーン → considering
- the → a
- セービング → savings
- スカーン → account
- ゼアーズ → there’s a
間違えてしまっているのは五か所ですね。
まず、冠詞の”the”と”a”は間違えやすいです。
ネイティブスピードで発話すると、ほとんど同じ音に聞こえるので、もはや文脈頼りになってしまします。
次に、この”セービング”と”スカーン”は、リエゾン(音のつながり)に慣れていないと聞き取りづらいところです。
savings accountとは、SとAの音がつながり、”サァ”みたいな音になります。
あえてカタカナで書くと、「セイビングサァカウン」となり、”カ”の部分にアクセントが来ます。
これは、英語の発音の練習をしっかりやれば、リエゾンの仕組みがうまくわかってきます。
下記の教材で発音の練習が可能なので、ぜひ手に取って勉強してみてください。
”ゼアーズ”は惜しいですね。
このまま”there’s”というワードに気づければよかったのですが、瞬間的に思いつけなければ、聞き取れたことにはなりません。
また”a”が弱く発音されているため、聞き取れていないことがわかりますね。
そうです。
これがディクテーションの一番大切なポイントです!
次の章で、その効果を詳しく解説していきましょう♪
ディクテーションの効果
ディクテーションの主な効果は下記の2点です。
- 「実際に読める英語」と「音で理解できる英語」のギャップを理解できる。
- リスニングをする上での、自分の弱点がわかる。
まず、
「実際に読める英語」と「音で理解できる英語」のギャップを理解できる。
とは、読めばすぐにわかる単語やフレーズなのに、実際に音で聞くと理解できないものがありますよね。
それが自分にとっては何なのかを把握することがディクテーションの効果の1つです。
次に、
リスニングをする上での、自分の弱点がわかる。
とは、添削と検証を繰り返し行うことで以下のような弱点を見つけられる、ということです。
- 単語やフレーズの意味がわからなかったのか。
- 発音を間違って覚えていたのか。
- リエゾンが理解できていなかったのか。
- 文法的な理解があいまいなため、聞き分けられなかったのか。
書き取れない原因がわかれば、後は音読でその部分を意識し、練習し、その弱点をつぶしていきましょう。
使用する教材
他の音読練習法の記事でも書いているのですが、
使用する教材は、自分が読んでみて9割以上内容がわかるものにしてください。
難しい教材を選ぶと、英文の内容を理解することに時間が取られてしまい、肝心のリスニング能力などを上げるのに非効率になってしまします。
私は全ての音読練習に、NHK教材をオススメしております。
理由としては2つ。
- 教材のレベルが多々あり、自分に合うレベルの物が探せる。
- 教材の質がかなり良い。解説も丁寧。
どの教材にするかお悩みの方は書店で、NHK教材コーナーに行き、教材をパラパラ眺めながら、あなたが軽く読める英文があるものを選んでください。
初めから背伸びしすぎないことも、上達の秘訣です♬
まとめ

ディクテーションをいろいろな教材で、何回も何回も行い、音読練習も行うことにより、「実際に読める英語」と「音で理解できる英語」のギャップを埋め、あなたの弱点をつぶしていくことが出来ます。
これらの記事で他の音読練習法を詳しく解説しておりますので、ぜひ読んでみてください。
これらを組み合わせた音読練習法により、単語やフレーズの発音、イントネーションなどが自然と理解できるようになります。
ディクテーションは言わば、あなたのリスニングを上げるうえでの障害を発見する、探査機みたいなものですね♪
それでは今回はここまで!